犬が喜ぶ「引っ張りっこ遊び」のやり方【犬の本能的欲求を満たしましょう】


犬と室内で遊ぶときの定番といえば「引っ張りっこ」。

この遊びは多くの犬が好み、咬んだおもちゃを必死になって引っ張り続けます。

「引っ張りっこ」に、犬が興奮し夢中になるのはなぜでしょう?

それは「引っ張りっこ」の一連の動きが、狩猟行動という「犬の本能的欲求」を満たすからです。

犬の喜びは「本能的欲求」が満たされること。

そこで本記事では、犬が喜ぶ「引っ張りっこ」のやり方を解説します。

犬は楽しくなると飼い主を見つめ、見つめられた飼い主もまた嬉しくなります♪

犬が大好きな「引っ張りっこ遊び」が上手な飼い主さんになって、愛犬とのコミュニケーションをさらに深めましょう!

「引っ張りっこ遊び」は犬の本能的欲求を満たします


「引っ張りっこ」は、オオカミを祖先とする犬の「本能的欲求」を満たす遊びです。

その理由は「引っ張りっこ」の最中の、

  • おもちゃを追いかける
  • おもちゃに飛びついて咬みつく
  • 咬んだおもちゃを振り回す


という一連の動きが、かつての野生の犬が獲物を捕らえるときの「狩猟行動」を連想させるからです。

草原で狩りをしていた頃の野生の犬は、オオカミのように群れを作っていっせいに走り出し、獲物に飛びかかって咬みつき、捕らえていました。  

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猫が「ネコじゃらし」が好きな理由も同じ。
「ネコじゃらし」の小刻みな動きが、ねずみや鳥などの小動物の動きと似ていて、肉食の猫の狩猟本能を刺激するのです。


犬が喜ぶ「引っ張りっこ遊び」のやり方【狩猟行動を再現する】


「引っ張りっこ」には、狩猟行動を連想させる動きが詰まっています。

愛犬との「引っ張りっこ」では、一連の狩猟行動を意識して、おもちゃを動かしてみましょう。

獲物を捕らえさせるイメージです。

おもちゃを、生きているように素早く動かすのがポイント。


①おもちゃを追わせる

はじめに、手に持ったおもちゃを、犬の目の前で地面を這うように前後左右へ素早く動かします。

犬は咬みつこうとして追いかけ回しますが、すぐにおもちゃを取られてはダメですよ。

これは、狩猟行動における「獲物を追う動き」を連想させるものです。

置かれたままの動かないおもちゃには無関心でも、そのおもちゃを目の前で素早く動かすと、急に興味を示して追いかけはじめることがよくありますよね。

「引っ張りっこ」は、犬とおもちゃの追いかけっこから始めましょう。


②おもちゃに咬みつかせる

しばらくおもちゃを追いかけさせたあとに、咬みつかせます。

狩猟行動における「獲物に飛びかかり咬みつく動き」をさせるのです。

咬みつかせる前に、獲物が逃げていくようにおもちゃを投げてみるのもオススメ。

動きにメリハリがつくので、犬も喜びます♪

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わが家の愛犬アイルは、投げたおもちゃを勢いよく走って取りに行き、近づくとわざわざジャンプして飛びつきます。まさに狩りの動き!


③犬が咬みついたらおもちゃを引っ張り合う

犬がおもちゃに咬みついたら、強く引いたり緩めたりとメリハリをつけながら、綱引きのようにグイグイ引っ張り合いましょう。

犬歯でおもちゃを強く咬み、全身の力を使って引っ張るこの動きが連想させるのは、狩猟行動における「咬みついた獲物にとどめを刺す行為」です。

咬みついた獲物を離さない、自分のものにしたいという本能に通じるので、犬は必死になって引っ張り、興奮も高まります。


④最後は犬におもちゃを渡して勝たせてあげる

強くおもちゃを引っ張り続ける動きは、全身を使ったよい運動になりますが、長くやると犬も疲れてしまうのでほどほどに。

「引っ張りっこ遊び」を終えるときは、おもちゃを取り上げずに、犬に渡してあげてください。

なぜなら、がんばった結果「獲物を捕らえた!」という満足感が得られ、その成功体験が「また遊びたい!」という気持ちへつながるからです。

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アイルはおもちゃを渡しても、くわえたまますぐに持ってきて「離さないでよ、またやろう!」と、僕を見つめてきます♪

 

かつては飼い主の優位性を示すために「最後は飼い主が勝っておもちゃを取り上げるようにしなさい」と言われていました。
しかし「引っ張りっこ」はもともと野生での「獲物の獲得」がもとになっており、生きていくために必要な、狩猟本能を刺激する遊びの一つなのです。

引用元:鹿野正顕「犬にウケる飼い方」㈱ワニブックス 42、43ページ


「引っ張りっこ遊び」をやる際に気をつけること


専用のおもちゃを使う

「引っ張りっこ遊び」には、なるべく専用のおもちゃを使いましょう。

理由は次の3つ

  • ぬいぐるみやタオルだと、破れた切れ端や糸を誤飲するおそれがある
  • 咬んでもいいものはこれだと教え、なんでも咬んでいいと思わせない
  • ロープ状の専用おもちゃは、咬むことで歯垢を除去する口腔ケアにもなる


特に、長い糸を誤飲してしまうのはとても危険です。
糸が腸にからまり腸閉塞を引き起こすおそれがあります。

同じおもちゃを使い続けて犬が飽きてしまった場合は、おもちゃの動かし方を変えたり遊び方を工夫したりして変化をつけてみましょう。


引っ張り合うときは、おもちゃを激しく振り回さない

犬との「引っ張りっこ」の最中、おもちゃを持つ手の動かし方には注意が必要です。

犬がおもちゃをくわえた状態で上下左右へ勢いよく動かすと、犬の頭が激しく振られて、首を痛めるおそれがあります。

「引っ張りっこ」は、綱引きをするように前後に引き合いましょう。

引っ張り合いながら、引く力を緩めたり強くしたりして、動きにアクセントをつけると犬も喜びますよ。

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アイルは、引っ張りっこに夢中になると、目をキラキラ輝かせながら「ウーウー」と楽しそうに唸ります。
犬は「楽しい!」と感じたときも唸るんです♪


くわえたおもちゃをいつでも離せるようにしつける

「引っ張りっこ」の最中でも、飼い主が指示をしたら、くわえたおもちゃをすぐに離せるようにしつけましょう。

「引っ張りっこ」は狩猟本能を刺激するので、犬が興奮しすぎることがあります。

オヤツを鼻先に近づけ、くわえたおもちゃを離した瞬間に「離せ」や「ちょうだい」の指示語を伝えることを繰り返せば、やがてオヤツがなくても指示後だけで離すようになります。

「引っ張りっこ」の最中は、常に犬とのアイコンタクトを意識して、飼い主が犬をコントロールすることが大切です。

遊びの合間に「お手」や「おすわり」を挟むのもいいですね。


まとめ:「引っ張りっこ遊び」で愛犬を喜ばせよう!


外に出かけなくても、家の中でいつでもできる「引っ張りっこ」は、犬が大好きな遊びのひとつです。

その理由は、遊びの中に狩猟行動という「犬の本能的欲求」を満たす動きが詰まっているから。

犬が喜ぶ「引っ張りっこ」のやり方は、次のとおりでした。

  1. おもちゃを追わせる
  2. おもちゃに咬みつかせる
  3. 綱引きのように引っ張り合う
  4. 最後は犬におもちゃを渡して勝たせてあげる

「引っ張りっこ遊び」では、最後に「犬に勝たせてあげる」ことが大事です。

おもちゃを無理やり取り上げると「奪われた」と感じて、飼い主に対し不安や警戒心を抱いてしまい、信頼関係構築できません。

犬は「本能的欲求」が満たされると喜び、それが安心にもつながります。

犬が喜ぶ「引っ張りっこ」で、愛犬とのコミュニケーションを深めましょう!